アスレティックトレーナーになるために、資格ライセンスは必要でしょうか?
それを説く前にまず、「資格」について整理しておきます。
日本では法的には、下記1〜3のように法的に定められた資格の「区分」があります。
(4はそれ以外の全ての資格を指す)
| |
1. 「業務独占資格」
|
= |
資格がなければ、その業務を行うことが禁止されている国家資格。
看護師、鍼師、柔道整復師、按摩マッサージ指圧師、教諭、等。 |
| |
|
|
|
| |
2. 「名称独占資格」
|
= |
資格がなければ、その名称を名乗ることが禁止されている国家資格。
名称を名乗らなければその業務をおこなってもよい。
理学療法士、管理栄養士、栄養士、調理師、等。 |
| |
|
|
|
| |
3. 「設置義務資格」
|
= |
特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている国家資格。
食品衛生管理者、旅行取扱主任者、宅地建物取引主任者、等。 |
| |
|
|
|
| |
4. 「その他の資格」 |
= |
その他全ての資格(「公的資格」と「民間資格」)は、単なる称号で、 法的に業務や権利が規制されていない。
よって、保有の有無は法的に全く業務に影響しない。
日本体育協会アスレティックトレーナー、
日本国内での「ATC(NATA公認アスレティックトレーナー)」、
○○トレーナー、○○コンディショナー、等。 |
アメリカでは、法律で「ATC」の資格を保有していないと、アスレティックトレーナーとしての業務をおこなうことが出来ません。が、日本ではそのような規則はありません。アメリカの資格であるATCを保有していても日本の資格ではないので日本では4の扱いです。よく、アスレティックトレーナーになるための目的として、日本体育協会のアスレティックトレーナーの資格を取得したがる方がおりますが、この資格は4ですので取得しても、公的法的になんら権限を持つことはありません。日本に数多くあるあるひとつの財団法人の協会が発行している協会認定の資格なのです。もちろん国が発行している資格でもありませんし、この資格を保有していてもいなくても、アスレティックトレーナーを行ううえでそれが左右されることはありません(それはどのような資格でも取得することにより、履歴書などに記載出来ますが・・)。他のどこかしらの団体や協会が発行するアスレティックトレーナー資格と効力的には同等です。
1〜3の資格は法律的にも、その資格に直結する業務をする際には保有の有無が影響を与える可能性が大です。では、4の資格とは何でしょうか。それにはそもそも資格とは何か、ということを改めて考察すると分かります。ある一定の基準(ある資格を取得させるにあたってその資格発行元が決めた能力レベル)を一度でも(その資格試験の日だけでも)保有したかどうか、を表した肩書きなのです。要は、法的になんら束縛力を持たない4の資格は、ある資格に関連する業務能力をその資格保有者がある程度は保有していると、認めているだけです。ということは別のあらわしかたをすると、その資格の関連する業務を求める人が働き始める前に(自分の本当の仕事能力をみられる前に)、その雇用者側にある一定の能力があります、と提示できるものです。となる程度であれば、4の資格はどんな協会が発行してようがあまり関係はありません。日本○○協会が発行していようが、□□協会が発行していようが、法的力は関係なく、資格を保有しているかどうかだけである一定以上の能力を持っています、と働く前に伝えるだけです。その人の本当の能力は実際に働き始めて時間の経過とともにはっきりしていきます。日本人は肩書きとなる資格、にこだわってしまう傾向にあるのですが、4に関してはある業務に関連する能力をある程度保有していることを提示することが目的なので、その意味からして「学歴」は立派な資格なのです。ある業務に関連する能力を保有していることを堂々と示すことができるわけです。例えば本校のアスレティックトレーナーコースを卒業していることは1年間(800時間以上)、アスレティックトレーナーに関わるあらゆることを学び修得した証になります。(ひとつ例えを示します。救急救命心肺蘇生法の能力を保有しているかどうかの資格にいくつかの協会や団体が発行しているCPR・AED系の資格があります。これらの資格は多くの通常のもので「8時間」で取得することができます。これらは立派な資格ですが、法的にはなんら力を持ちません。では、例えば専門学校で「救急救命法」の授業科目を半期開催され、それを受講し単位を取得したとします。1コマ90分として、半期で15回が標準ですので、その合計時間は、22.5時間になります。しかし一般的な肩書きとしての資格は発行されません。成績表に単位を認定したことだけが記載されるだけです。前者の8時間で取得した能力と、後者の22.5時間かけて学び取得した能力はどちらが高いでしょうか。これはどのように考えても後者の22.5時間の能力の方が高いのです。)学校で学び、その学科やコースを卒業することは実はスゴイ能力を保有していることの結果を表すことであり、アスレティックトレーナーをおこなうにあたって、アメリカのようにATC資格を保有していなくてはならない、ということではない日本では、専門の学校を卒業することだけで実は大変立派な資格を保有したことになるのです。
同じような内容でも、学校の授業を受講し試験に合格し単位を取得したことと、資格の試験を受験し合格して資格を取得したことは、そのレベルが違う、と思った方には、よりお伝えしたいことがあります。それはその通りなのです。しかし、学校の単位を取ることの方が簡単、と思ってしまったとしたらそこに大きな考えるべきポイントがあります。それだからこそ、しっかりとした「学校を選ぶ」必要が出てくるのです。簡単な授業で簡単な試験で簡単に単位が取れるような学校にいっても、その取得単位の科目に関する能力レベルは低いでしょう。が、しっかりとした授業内容としっかりとしたその試験合格レベルを持っている学校の単位を取れば、それはその人の能力がより高まることになるのです。
アスレティックトレーナーは、肩書きの資格ではなく実際の能力でその業務を継続することができます。どんなに履歴書上に立派な資格を並べても、働きはじめてその能力が低ければ、終身雇用ではないこの業界では(多くは1年間契約)、即クビとなるでしょう。そうです。本当の能力を身に付けていることこそが、アスレティックトレーナーを行っていくための資格なのです。
アスレティックトレーナー界の現状をよくふまえてみれば分かりますが、肩書きとなる資格の取得を目指すよりも、本物の能力を身に付けることが大切です。
無駄な時間をお金を費やさないためにも、学校選びを間違えないことがアスレティックトレーナーになるためにはとても重要なことです。
FABCが多くのプロのトレーナーを輩出しているのは何故なのか・・。
そこが最も重要なポイントでしょう。
|